とにかく、何事も複数の選択肢を持っておくに越したことはないだろう。 所属コミュニティ、利用するサービス、……持続可能なインターネット活動のために。
―― p-hone(2024)1
昨今のTwitter(現X)(以下、エックスとする)は、まさに魔境となっている。ツイート3:広告1、よくわからないシャドウバン、不透明な凍結、URL付き投稿など最新ツイートに表示されない最新ツイート、開くことができないセンシティブといったシステムへの不満から、ロシアによる世論工作、陰謀論・排外主義まみれのトレンド欄、対立煽り、インプレッション数で金を稼げるシステムを活用しヘイトやフェイクをばら撒くアフィカス(死語)のような熱闘論客など、キリがない。やはりインプレッション数で金を稼げるというシステムが1番悪い。攻撃的な投稿で注目されて金を稼ごうとアフィカスのまとめブログみたいな状態(死語)(実は弊は2ch世代ではなく……)になっている。最悪の茶碗蒸しだ。
そんな中で他のSNSへの移住や棲み分けを考える人々がいる。まさに私は今から2年前の2023年8月に、Fediverseへ移住したクチだ(ちょうどあの頃TweetDeckとTwitterWebが死亡したという出来事があった)。他サービスに移住を呼びかけるツイートは数あれど、その後どうなったか、どう過ごしているのかといった記録はあまりないのではないか。移住民がどう生きているのか、その記録があったほうがいい、そう思い立ち、ここでは古き良き(?)Twitterから脱出した私がその後どう過ごし、どう考えているのかといったことを書き記していこうと思う。
どこへ行くべきか
まず前提として、エックスのアカウントを消してしまう必要はないだろう。現体制に不満がたくさんあっても、そのアカウントで育んだFF関係や自身の記録は唯一無二のものだ。それを消去してしまうのは勿体ない。と書くと中途半端だと、エックス社を利する行為だと思われるかもしれない。しかし、何だかんだいままでずっとTwitter依存症だった私にとって、エックスのフォロワーのツイートをたまに見たり、Google検索からは得られない様々な情報を検索から仕入れるということをやめることはできないし、実際そうやって構築してきたインターネット・ライフを根本から覆すことは難しい。なので私は呟くことやリツイート、いいねは一切せず(ブログ更新のお知らせだけ)、アニメ情報が欲しくなったときにフォロー内検索したり、パブサしたりと主に検索機能を使っている。どこへ行くべきかではなく、どこを中心としつつ様々なサービスを使うかという発想のほうが持続可能かもしれない。
FediverseとBluesky
SNS(日々の壁打ち)をどこでやるか、は悩みどころだろう。nostrは人口が少なすぎるので置いといて移住者が多いFediverseとBlueskyの2択から考えてみよう。
Fediverse
主な思想としては、EU(ヨーロッパ連合)のようなものだと考えられる。個々の小さな国(サーバー)がありつつ、シェンゲン協定で自由に行き来ができる(ActivityPubというプロトコルでどのサーバーからもフォローが可能)が、個々の国で法律が少しづつ違う(サーバールールが違う)などが挙げられる。 1番良い点は、独裁者になれる(暴れすぎると他のサーバーからブロックされる可能性もあるが……)個人サーバーを建てるのが簡単(知見がたくさんある)なことだろう。いきなり個人鯖はハードルが高い場合、misskey.ioサーバーや、fedibird.comサーバーなどどこかにアカウントを作ってみるのもいい。私はいまmisskey(ソフトウェア名)で建てた個人鯖を使っているのでmisskey系のサーバーをおすすめしており、使い勝手など今後の勉強も兼ねるならmisskey.ioをおすすめする。いま日本で1番大きなサーバーでもあるからだ(ただしルール(センシティブ投稿に関するルール)は覚えておこう)。
Bluesky
主な根本的な思想としては、インターネットであること(投稿可能となるシステムの土台を公共サービスと捉えて、投稿規定に基づくアカウント凍結などの排除できるだけ嫌う)ことが挙げられる(それが現状として実現されているかは別とする)。
こちらもFediverseと同じく自前で建てることも自前のPDS(ググってね)を配備することも可能だ。上記の思想ゆえにユーザーには能動的な自己モデレーションが必要となる(公式に甘えるだけではなく、見たい投稿、見たくない投稿を自ら選択していったり、他者が作ったモデレーションリストを利用するなどといった、ユーザー参加型の自分専用自分だけのモデレーションが可能と考えてほしい)。そういう意味ではこちらも中央集権的なものを嫌う傾向があるのと、ユーザーの自由意志を尊重する動きがあるが、現状Bluesky公式サーバー(PDS)一強であり、発展途上であることは留意する必要があるだろう。私も詳しいことはわかってないのでググってほしい。
どっちがいい?→両方使ってみよう!
どっちが肌に合うかどうかは個人によるとしか言いようがない。Fediverseは閉じようと思えば閉じることのできる閉鎖的空間化するのが容易で、大規模な検索がないといった欠点も存在するし、Blueskyは透明性重視のため誰が誰をブロックしているのか全部まる見え(Clearskyで検索してみてね!)で鍵垢投稿が不可能といったものがある。陰湿さのあるインターネットに生息してきた我々にとってはそういう意味ではFediverseのほうがいいかなぁ……というのがある。ある程度システムが確立しているのも魅力的だ。そのため現在わたしはFediverse個人鯖からの壁打ちをメインとしつつ、Bluesky公式PDS内のアカウントも所持している。
公開日記を書いてみる
たとえあなたが移住したとしても、エックスには相変わらず多数のフォロワーがいることだろう。そういう場合、1日中張り付いているSNSではなく、note.comといったサービスで公開日記を書いてみるのもいいだろう。SNS全部追ってなくても、相互で日記を読んで緩やかな繋がりを保つこともできるし、なんだかんだ楽しい。私はnote.comで1日毎の日記を記している。
どう過ごすか
コミュニティに関する身も蓋もない話
正直に白状すると弊がFediversseで長続きしているのは、以前からエックスにいた今期アニメ関連のフォロワーがドカッと同タイミングでFediverseにも居たというのが大きい。Fediverseで新規にFFになったフォロワーも数十人いるが実はTwitter2クリ圏内だったなど、何かしらの繋がりがある。そういう意味ではエックス社にコミュニティをぶち壊されることなくきたのは幸運だった。そのためFediverseで新規にTLを賑やかにしてくれる壁打ち勢を探す方法についてはちょっとわからないことが多い。考えつくこととしては、積極的に大規模サーバー(misskey.io)で検索かける、大規模サーバーのローカルTLを眺めるなどが挙げられる。やはり既存のTwitterでのコミュニティを勧誘するしかないのかもしれない。
また、蛸壺化が進みやすいのではという懸念もあるが、私の近辺だとうっすらとしたリベラルな空気感がある、政治とあまり関係性の低い「今期アニメ」という共通の話題がずっと継続してある、反デカパイで団結している(?)、年齢層が高めというのもいい味になっているのかもしれない。そういう意味で私はいまのTLが好きだ。
スケベな絵をどう入手するか
こっちも身も蓋もない話だが、現在でも多くのスケベ絵をエックスに依存している。しかし、絵師がインプレッション数に翻弄されているのをみたくないし加担したくないのでRT&Favはせず、Discordの自鯖などで共有したり、FediverseにURLだけ横流ししてる。エックスの検索がセンシティブバンでいう事を聞かない今だとやっぱりpixivが1番使いやすい。pixivにも色々問題があることはあるが、日本国内にありロリ絵でも検索可能というのはやはり強い。絵師の皆様におかれましては積極的にpixivに投稿をお願いしたく……
1つだけのサービスではなく、分散する
今の私は日々呟き1日中張り付いてるFediverse、寝る前と起きた後にチェックするBluesky、1日毎に日記を書くnote.com、呟きもリアクションもしないがちょっとした検索をするエックス、そしてたまに何か書く個人サイト・ブログ、Discordなど、Fediverseを土台としつつ様々なレイヤーでの様々な自己がインターネットにある。SNSは絶対的なものではなく基礎として利用し、SNSだけではないnoteのみで繋がってる繋がりや、Discordだけの繋がりなど、色んな種類のつながりがある。そうした選択肢や緩やかさが持続可能なインターネット・ライフへと繋がるんじゃないかと最近思う。